マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いとは

矯正治療を検討している場合、治療法について迷うもの。「マウスピース矯正とワイヤー矯正ってどんな違いがあるの？」「それぞれ、どんなメリットやデメリットがあるのか気になる」と思っている方もいることでしょう。

当記事では、マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いについてまとめるとともに、それぞれのメリットやデメリットを紹介していきます。 どちらに向いているのかも説明していきますので、矯正治療を検討している方や治療法を迷っている方はぜひチェックしてみてください。

マウスピース矯正の特徴

マウスピース矯正は、マウスピースを装着して矯正を実施します。

ワイヤー矯正とは違い、透明のマウスピースを装着することによって治療を行うため、自由に着脱できるのが特徴的。手軽に行えることから、近年支持されている矯正方法の1つです。

事前に検査や診断が行われ、患者様のデータを正確に取得してからマウスピースの製作に入ります。治療している間は、一定のサイクルで形が異なるマウスピースに取り替えつつ、少しずつ歯の移動を行うのです。 乱れの程度が軽度だとワイヤー矯正よりも治療期間は短くて済み、費用負担も抑えられます。

ワイヤー矯正の特徴

ワイヤー矯正とは、歯の表面に矯正装置を取り付けて、ワイヤーの力で歯の移動を行う治療です。

クリニックで定期的に、ワイヤーの調整をしながら歯並びを整えていきます。装置のとりつけや調整は歯科医師が全て行う治療であることから、ワイヤー矯正は歯科医師の技術力が大きく問われる治療法とも言われているのです。

期間は1～3年とされていますが、症状などによって個人差が見られます。 ワイヤー矯正は、「金属の装置を取り付けるのは目立ちそう」だと気になる方もいることでしょう。しかしワイヤー矯正の種類も増えてきており、透明や白の装置など目立ちにくいものを使うことも可能です。

その他には歯の裏側に装置をつける裏側矯正と呼ばれる方法もあり、治療方法の選択肢が増えてきているのが特徴として挙げられます。

マウスピース矯正のメリットデメリット

手軽に取り組めそうなイメージのあるマウスピース矯正。どのようなメリットやデメリットがあるのか気になることでしょう。 ここでは、マウスピース矯正のメリットやデメリットについて詳しく説明していきます。

マウスピースによる歯科矯正のメリット

マウスピース型の矯正治療は、ワイヤー型の矯正と比べると以下のようなメリットがあります。

• 費用を抑えやすい
• 透明のマウスピースを用いるため目立ちにくく人目が気にならない
• 痛みや違和感が軽減しやすい
• 取り外しできるため、虫歯や歯周病のリスクが少ない
• 金属アレルギーの人でも治療可能
• マウスピースが薄い場合、滑舌に影響しにくい

マウスピースによる歯科矯正のデメリット

一方、マウスピース型の矯正治療にもデメリットはあります。例えば、次のようなポイントについてしっかりと理解しておく必要があります。

• 適応できないケースがある
• 装着をしっかり行うなど自己管理する必要がある
• 1日20時間以上、装着しなければならない
• 取り外した場合、紛失に注意が必要

ワイヤー矯正のメリットとデメリット

ワイヤー矯正の治療範囲は、奥歯まで合わせたすべての歯列と咬み合わせに対応できる「全顎矯正」と、前歯をメインに部分的な治療に特化した「部分矯正」とがあります。 ここでは、ワイヤー矯正にはどのようなメリットやデメリットがあるのか詳しく説明していきます。

ワイヤー矯正のメリット

ワイヤー矯正には、以下のようなメリットがあります。

• 歯列全体を整えられる
• 奥歯を含め、全体的な咬み合わせの改善を期待できる
• 症状における適応範囲が広い
• マウスピース矯正では困難な複雑な乱れなどにも対応可能
• 部分矯正なら気になる部分のみにも対応可能
• 治療期間を短くしやすい
• 費用を抑えやすい

ワイヤー矯正のデメリット

ワイヤー矯正には、以下のようなデメリットがあります。

• 治療期間が長くなりやすい
• 調整費などのコストがかかる
• 症状の強く見られる歯並びには適応できない
• 部分矯正だと奥歯の矯正ができない
• 全体的な咬み合わせは調整困難
• ガムやキャラメルなど歯につきやすい食べ物に注意が必要

どちらの方が向いているか紹介

ここでは、どちらの方が向いているのか詳しく説明していきます。

マウスピース矯正がおすすめな人

マウスピース矯正に向いているのは、以下のような方です。

• 周囲の人に矯正治療をしていることを気づかれたくない
• 歯並びの乱れなど、軽度から中程度の症状が見られる方
• 治療中でも、硬い食べ物や歯につきやすいものなどを摂取したい
• 歯磨きや口のケアなどを簡単に済ませたい
• 1日20時間以上の装着時間を忘れずにできる
• 金属アレルギーもしくはアレルギー疑いがある

ワイヤー矯正がおすすめな人

ワイヤー矯正に向いているのは、以下のような方です。

• 骨格の歪みがある
• 歯並びが複雑で、大きく乱れている
• 複数以上の抜歯をしなければいけない
• マウスピース矯正の場合、高額になる症状がある
• 周囲の目が気にならない
• 1日20時間以上、装着できない

マウスピース矯正中のキョウコが
治療前後で
重視したこと・感じたこと

それぞれの治療法も特徴を把握して治療法を選ぼう

マウスピース矯正は、マウスピースを装着して実施する治療のことであり、ワイヤー矯正は、歯の表面に矯正装置を取り付けて、ワイヤーの力で歯の移動を行う治療を言います。

マウスピースの場合、目立ちにくく人目が気にならなかったり費用を抑えやすかったりすると言われています。ワイヤー矯正なら、歯列全体を整えられたり、全体的な咬み合わせを改善できたりする効果が期待できるのです。

しかし、マウスピースは20時間以上装着しなければならず、ワイヤーは治療期間が長くなりやすいなどのデメリットもあるため、それぞれの治療法の特徴をよく把握したうえで、選ぶ必要があります。

どちらの治療法にするか迷ってしまったり矯正に不安があったりする方は、かかりつけの歯科で確認してみるのがおすすめです。