部分矯正について紹介

部分矯正とは

歯科矯正治療では「全顎矯正」といって、歯を全体的に動かして、正常なかみ合わせの歯列に治療していきます。一方で部分的に歯並びが問題になっている部位を治療することもあり、それを「部分矯正」といいます。多くの場合は、見た目の問題で前歯を中心に実施されることが多い治療です。

部分矯正が適している症状としては、まず、軽度の叢生（乱ぐい歯）が挙げられます。八重歯など、歯が少し重なっている状態です。また、前歯の間が少し空いてしまっている正中離開（せいちゅうりかい）、俗に言うすきっ歯や、軽度の前額上突（ぜんがくじょうとつ）俗に言う出っ歯などがあります。

部分矯正のメリット

治療期間が短い

部分矯正のメリットは多くありますが、大きな特徴の一つとしてあげられるのが、治療期間が短いことでしょう。矯正治療は一般的に治療期間が長くなります。しかし、部分矯正の場合には、歯を動かす部位が限定的なので、治療期間は短くてすむのです。歯を全体的に動かす場合の治療期間は症状にもよりますが、2年から3年程度です。一方で、部分矯正の場合には1年から1年半程度で終了することが多いようです。全体的な矯正治療と比較すれば、半分程度の期間で治療が終了する可能性もあるのです。

費用を抑えられる

部分矯正治療のもう一つの大きなメリットは、費用の問題です。歯科矯正治療は自由診療であるため、治療費用は高額になります。矯正を検討している方の中でも、費用がネックとなって、治療を躊躇している方もいるのではないでしょうか。その解決策の一つとしても部分矯正は選択される治療となります。動かす歯が限定的であることに加えて、前述のように治療期間も短くなりますので、トータルで費用を抑えられることになるのです。

部分矯正のデメリット

完璧なかみ合わせにならない可能性がある

はじめにご紹介したように、部分矯正では前歯を中心とした軽度の症状に対して実施される治療です。そのため、基本的には奥歯のかみ合わせが悪い症状がある場合には実施されません。部分矯正の場合には、どちらかというと、前歯などの見た目を治療することが目的となっています。そのため、かみ合わせが悪い症状がある場合には適応とならないのです。